八王子バプテスト教会通信

3月7日のメッセージ 2021年3月7日

今日は東日本大震災から10年の節目にあたり、あの人同様、ソロモンの「伝道の書」を読むことにします。

 

ソロモンは、とてつもない知恵、富、そして権力を持っていましたが、この世の「不条理」に対して強烈な違和感を感じていました。「伝道の書」というのが、ソロモンがその自分中心の違和感から、神が中心の人生観に変わっていったかの、人生観の遷移の記録です。

 

ソロモンは神から与えられた、途方もない知恵を使って、様々な方法で生きることの意味を探ろうとしますが、それはことごとく失敗します。私たちの周囲にも、私たちが全く理解できないことも起こります。大きな災害などが起こると、良い人も、悪い人も、同様に巻き込まれ、亡くなります。なぜ、神は悪い人のみを罰し良い人のみを助けないのか?そのような疑問をソロモンも持っていました。

 

しかし、それは人間の身勝手な発想です。なぜなら、すべての人は、神の前には等しく罪人であり、等しく愛する我が子だからです。聖書の福音の、「救われる必要のないまでに善人な人はいないし、救われることができないまでに悪人な人もいない」の考え方と同じです。

 

ソロモンは、人間中心の発想で突き進んでいきますが、そのうちに気付きます。自分がいかに知恵を持っていても、神は神であって天におられ、自分は人であって地にいる。この差は絶対的。しかし、そうだからといって、神は人に対して悪い意図は持っていない。良いご計画を持っておられる。ただ人間にはいかに知恵があっても、それを理解できないだけなのだ。

 

そうであるならば、私たちはどう生きるべきか?与えられた日々を楽しむ。与えられた労働を一生懸命にこなす。より良い日々が来ることを、ただただ待つのではなく、目の前にある今日のこのひと時に、全力を注ぐ。それは二度と返ってこないのだから。そして、私たちは最後には全てを神の審判にゆだね、永遠のすまいへと帰っていく。そのような存在なのだから。

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